BrainyRabbit's Blog

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米国公認会計士(USCPA)の不足単位取得に慶應大の通信教育を利用した話

少し前にUSCPAの資格を取得した話です。

USCPAの受験資格要件は州によって異なるのですが、多くの州で学歴要件(取得単位数の下限)があります。

私はLicenceの取得までしたかったのでワシントン州に出願したのですが、ワシントン州は要求単位数が多く、学部生時代の単位では足りなかったので追加で単位を取得する必要がありました。

(参考)ワシントン州の受験資格

・学位要件▶4大卒以上
・単位要件▶総取得単位150単位以上、会計24単位(内15単位以上がUpperレベル)以上、ビジネス24単位以上

 

 

実際に受講して単位を取得し、無事ワシントン州での受験資格を認定されましたので、経験談として情報をまとめておきます。

 

目次

 

アビタスやTACなどが提携している米国の大学の通信教育単位は単位ごとの課金のため、慶應義塾大学通信は年単位での支払いなので多くの単位数が必要な人は料金・時間を節約できます。

一方で、開講科目や受講形態の制約から、利用できない人もいます。

履修可能科目の関係から、出願する学部は「経済学部」一択です。(文学部や法学部で履修できる科目で認定されるものはなし)

 

1.慶應通信での単位取得が適している人と適していない(または、利用できない)人

①向いている人:

1.不足単位数が多い

TACのブラッドリー大学通信単科受講のサイトによると、14科目で35万円くらいとのとこと。
慶応義塾大学通信なら入学試験料入れても初年度14万円弱なので、不足単位数が多く、1年以内に必要単位を取り切ってしまうつもりなら、こちらの方が安いです。

逆に、不足が数単位であれば割高になります。

2.Upper Classの単位数は足りている

一部州では、Upper Classの科目の単位数が必要ですが、慶応義塾大学通信ではUpper Classのビジネス・会計科目の開講はほとんどないので、一般科目が不足している人におすすめです。

3.勉強が得意で仕事が早い

科目や大学にもよりますが、米国の大学の通信教育単科受講の場合、①授業の視聴、②レポート・小テスト、③最終試験があり、1科目につき50~80時間程が目安のようです(試験勉強時間は除く)。授業の視聴状況も確認されるため、これが最も時間を要するものとなっています。

慶應通信の場合、①テキストでの履修+レポート提出(4,000字ほどのレポートを1~2回。)、②試験の受験のみのため、自分の能力次第では時間を短くすることができます

私の場合、経済系の学問の知識があったこと、勉強が苦手ではなく論文を書きなれていたこともあり、1科目当たり:レポート4-8時間 + 試験勉強1時間 + 試験1時間程度の合計10-15時間程で必要な科目をほぼSスコアで取得できました。

 

②向いていない(または、利用できない)人:

1.大学・大学院在学中の人

通信制でも大学入学という形になり二重在籍となるため、在学中の人は出願できません(日本の制度では、二重学籍は認められていない)。卒業後であれば、もちろん大卒でも院卒でも出願可。

2.Upper Classの単位が足りない

Upper Classの科目がほとんどないので、Upper Classの単位は他の方法で取得する必要があります。

3.勉強が苦手な人・レポートを書きなれていない人

向いている人のところで述べたように、レポート+試験により評価されるので、どちらも苦手な人は時間がかかります。特に、レポートは合格するまで何度でも再提出となり、合格するまで単位取得とならないため、レポートに時間がかかる人/苦手な人はかえって時間がかかると思います。

また、勉強が苦手な人は、USCPAの試験内容とは異なる日本の会計・簿記を試験対策を追加で勉強しなければならなくなるため、向いていないと思います。(米国の大学の通信教育は、会計基準や法令が米国の内容であるので二重の学習にならないので、勉強が苦手なら応用がきくそちらに集中した方がベター)

4.田舎住まいの人

通信教育ではあるものの、試験は試験会場以外での受験ができません。試験地になっていない地方住まいの方は、試験を受験するための旅費や交通費がかさむため、結果的に高くなります。地方であっても、大阪・名古屋・福岡などの都市部在住であれば、年間4回、在住都市での受験が可能なので心配ありません。

5.土日に休みが取れない人

試験は土日のみに開催されるため、土日に受験ができない場合は単位の取得ができません。

 

2.メリットとデメリット

メリット

1.多くの科目を取るのであれば、料金が安い

2.時間が圧倒的にかからない

3.スケジュールの都合で試験が受験できない/不合格で再受験でも、追加料金なく次回試験に申し込める

⇒忙しく予定が読みにくい人には3が結構メリットになると思います。TACのブラッドリー大学の場合、受験申し込み毎に1科目あたり24,000円必要なので。

 

デメリット

1.出願手続きがやや面倒

合わせて2,000字ちょっとの小論文(というほどでもないが)の提出と、出願書類の準備が必要。

2.入学・試験スケジュールが決まっている

入学が4/10月、試験が4,7,10,1月のみのため、「1ヵ月以内に単位を取得したい!」というような急ぎの単位取得はできない。最短で、4月入学→7月試験(※入学直後の4月試験は受験資格がないため)→単位発表9月、というスケジュール。単位発表後に成績証明書の発行が可能。

3.試験内容はあまり活きない

日本と米国では会計・監査基準などが異なるため、取得した単位の勉強が必ずしもUSCPAの試験に生きるわけではない。コンセプトはあまり変わりませんが。

 

3.実際にUSCPA受験資格として認定された科目

慶応義塾大学通信で取得し、試験資格を満たしているものとして認定された科目を記載しておきます。ワシントン州出願の自分のケースのため、他の州では異なるかもしれないのでご参考までに。

自分の経験談ですが、同じ科目名でも、別の大学で取得している単位は別々に有効と認定してくれましたので、学部時代の履修科目との被りは気にしなくてもよいと思います。

(例:A大学「簿記論 2単位」、B大学「簿記論 2単位」→合計4単位として認定)

 

ビジネス単位

経済原論(ミクロ経済学) 2

経済原論(マクロ経済学) 2

経済史 4

経済政策学 2

金融論 2

経営学 3

経営分析論 2

会計単位

会計学 3

簿記論 2

原価計算 2

会計監査 2

※数字は単位数。