諸事情でGREのスコアがすぐに必要になり、受けてきました。
「GREってなに?」というところからスタートし、準備時間は平日は仕事をしながらの1週間。直前の土日に体調を崩してしまったため、勉強できた時間は3時間x5日間の実質15時間くらいです。
無謀な挑戦でしたが、全セクションで平均以上を取ることができました。(”攻略”という割に低い目標で恐縮ですが)
実際に受けてみて気づいたことや前評判との違い、反省を踏まえ、もしもう一度直前1週間で対策するなら何をすべきかをまとめてみました。
contents
はじめに
GREの対策時間をどれくらい短くできるかは、かなり個人のバックグラウンドによると思います。特にQuantativeは、知っていれば算数用語の英単語を確認するだけですが、知らない(覚えていない)のであれば解法を1から勉強しなければなりません。
私は海外有名大でも東大京大卒でもありませんし、特にハイスペックという訳でもないですが、中学受験の経験など、準備時間を減らせる背景はありました。
人によってスタートラインが違うと思うので、小学校レベルの算数からやり直さないといけない人などは1週間だと厳しいと思います。
今回のGRE受験の目標と制約は下記の通り。
- 目標:3セクションすべてでGlobal平均以上のスコアを取る
- 制約:対策にあてられる時間は平日3時間 x 5日 +土日 2日(終日)のみ
(土日に体調を崩して寝込んだため、結果的に対策時間は平日の15時間のみ)
GRE受験時点での私のバックグラウンド
いきなり自分語りで恐縮ですが、上述のようにGREの準備時間はスタート時点のスペックで左右されるので、軽く語らせてください。
・GRE受験時点でTOEFLスコアはコンスタントに100-110。Writingは25くらい。
・最終学歴は慶應商【やや重要】。
・中学受験【重要】、高校受験【やや重要】、大学受験【やや重要】全て一般入試合格
★TOEFLスコアはGREに挑戦する時点で多くの人が100を超えていると思うので、アドバンテッジはなし。
★受験経験がアドバンテッジとなるのは、特にQuantative。
半分以上が日本の小学生レベルの算数&知能テスト、+中学校の内容で8割、1割高校の確率(の簡単なもの)、1割統計学(の簡単なもの)という出題範囲なので、中学受験(真剣に小学校レベルの内容を勉強した)経験の有無が準備時間を大きく左右します。特に、国立大の付属学校(小学校受験・中学受験)の問題が近いと思います。(知識詰込みではなく発想で解かせる系の問題)
おおまかにでも覚えていれば、8割の内容は斜め読みで済み、対応する英単語を覚えるだけなので大幅に時間を短縮できます。
★商学部卒で統計学の基礎知識もあったので、残り1割も同様の対応でOK。理系学部も統計学は必修だと思うので、理系の方も問題ないと思います。
自分は該当しませんが、他に時間短縮になりそうな経験として
・英検1級・ケンブリッジ英検CAE(Verbalの単語が一部重複)
・英文でのレポート提出を習慣的に行っている(AW)
・日本の公務員試験経験(Q)
・米国公認会計士科目BEC合格(Q)
・学生時代に中学-高校受験の塾講師や家庭教師のアルバイト(Q)
などに該当する方は、私より準備時間を短縮できると思います。
結果、V 153, Q 165, AW 4.5。
(決して高スコアではありませんが、今回は平均より少し上くらいのスコアを取れればよかったので、よしとする)
セクションごとの結果・やったこと・やればよかったこと
Analytical Writing
会場レビューでも書いたとおり、アルゴリズムでの類似文章検知システムがあるため、テンプレを用意するなら自分オリジナルのものを用意しなければならない。
出題される問題は、全てETSのWebサイトで公開されているので、目を通しておく。
【結果と反省】
スコア 4.5。
(参考)全体平均:3.48、日本平均:3.0
終わった直後の感想は、「まっっっったくできなかった!」。文字数も、他ブログなどで書かれている必要だとされる数に届かず、指摘できた事項の数も少なく、類似文章検知システムに怯え覚えてきたテンプレを放棄した本当にその場の思い付きの文章だったので、自分では2点くらいだと思っていた。スコアを確認して驚いた。
採点理由は公表されないので完全な憶測だが、書き洩らしの内容が多い(と自己評価している)割に得点が高いのは、アカデミックライティングの構成ができていたからではないかと思う。(友人知人でpaper課題でアカデミックライティングに準拠していない文章を提出しがちな人はもれなく3点台だったので。)
【1週間でしたこと(実際)】
・GREの出題形式を調べる
・他人のテンプレを参考にテンプレ作成
・各1題選んで時間を測って書いてみる
計画ではETSが公表している問題の読みこみ、3題 x 2模擬テストをするつもりが、体調を崩して寝込んだ結果、時間がなくなりできず。
【1週間で対策するなら】
・GREの出題形式を調べる …1時間
・実際に1題ずつ解いてみる …1時間
・オリジナルのテンプレ作成(Nativeにチェックして貰う)・暗記…2時間
・ 指摘事項の着眼点リスト作成(※1) …1時間
・テンプレ・着眼点リストを踏まえて問題を解いてみる …2時間(1時間 X 2)
・問題リストに目を通す …2時間
※1題は、短い文章を読んでそれについて問題点を指摘する形式なので、問題の着眼点を心に留めておけば、本番で比較的簡単に書けるようになる。例えば、「古いデータを元に意思決定している」「全く異なるケースを同一視して結論をだしている」など。
Quantitative
絶対に心に留めておくべきこととして、「解くのに1問1分以上かかる問題は出題されない」。内容は小学生向けの知能テスト・算数、中学生レベルの数学、高校の確率のさわり、統計学の導入(教科書の最初の10ページくらいまでの内容)でほぼ全て。
日本人に馴染みのないものも(バーチャートの読み書きなど)いくつかあるが、数は少なく習得に大して時間のかかるものはない。
【結果と反省】
スコア 165。
(参考)全体平均:152.27、日本平均:156.6
実際に受けてみての感想は、「たしかにofficialよりは複雑な問題が出たが、ブログや予備校サイトなどで言われているような難しい問題はない」。最終スコアから、2セット目の問題は最も難しいセットルート(GREでは1セット目の点数により、2セット目の難易度と最終スコアの上限が決まる)だったはずですが、難易度の高い問題はなかった。ただ、「クイックな解放に気づけば10 秒、気づかなければ数分かかる」ような問題が後半セットでは多数だったので、こういった問題が”難しい”と表現されているのかなと思った。
私もテスト中は、「本番試験は難しい」との前評判を鵜呑みにしてしまい、前半でかなり時間をロスしてしまった。30分のテストのテストなので、時間がかかる問題が出題される訳がないと気づければよかったのですが。。
試験終了後に問題を思い出して解いてみると、基本的に1分半以内に解けない問題はなかった(私は計算が早い方ではないので、早い人なら1分以内だと思う)。具体的な試験問題は誓約のため書けないが、たとえば、「式を立てて計算して答えを出すこともできるが、複数の計算が必要で真面目に解くと5分以上かかる。が、問題文の条件と選択肢を照らし合わせると正解以外の選択肢を計算なしで消去できる」系の問題など。
要は、クイックな解法に気づくことができるかが肝。常に裏技がないか、考えることが大事だと思う。
【1週間でしたこと(実際)】
・GRE試験情報の収集
・GRE Official Guideを読む
・GRE Official Guideの問題を解く
・算数用語・統計用語の英語版を絵を描いて覚える(※)
※最初は予備校がネットで公開している英単語対応表リストを使おうと思いましたが、学生生活から離れて久しいので、「中心角」とか「母線」とか日本語の方の用語を引き直す羽目になってしまったので、図で書いて英語を併記するチートシートを自分で作りって覚えました。
・大学の入門統計学のテキストの冒頭10ページを流し読み
【1週間で対策するなら】
・GREの出題形式を調べる …1時間
・GRE Official Guideを読みつつ、算数用語・統計用語の英語版を絵を描いて覚える …3時間
・大学の入門統計学のテキストの冒頭30ページを流し読み …0.5時間
・GRE Official Guideの問題を解く …2時間
・GMATのデータ解釈の問題を解く …2時間
・国立中学入試問題の問題集の該当箇所に目を通す(※余裕があれば)
(算数か総合の名目で、データの読み取り・データ加工・解釈の出題があるので、それのこと。国公立中学入試の試験問題は私立中と異なり、出題できる内容に制限があるので、知恵を試すような問題になるため。ただ、時間があるならVerbalの単語暗記に時間を当てた方がトータルスコアは伸びると思う)
Verbal
単語を問う問題が多く、単語自体の難易度も高い。小手調べとなる1セット目でもTOEFLではお目にかからないような単語が続出。長期間かけて語彙を増やしていくことが正攻法だが、深い意味合いやニュアンスの違いなどは出ないので、短期間で対策するなら1単語1訳で何単語追加で覚えられるかがカギとなりそう。
【結果と反省】
スコア 153。
(参考)全体平均:149.97、日本平均:145.1
1週間の準備期間と書いたが、Quantitativeの途中まで勉強をしたところで体調を崩してしまい、Verbalは出題方式を公式Bookで確認した以外ほぼ対策できずに臨んだ。終わった直後の感想は、「とにかく単語暗記がものをいうテストだった」。TOEFLのReading満点、英字新聞読んでいて知らない単語もほぼないので、そこそこいけるんじゃないかと思っていたが全くそんなことはなく、”選択肢すべて知らない単語”という問題もかなりあった。Part1は全くできた感じがしなかったので、part2は難易度低めなものが出されたと予想。part2では単語の難易度がぐっと下がり、TOEFLや日常使いでおなじみの単語も増えたのでそれを取りこぼさなかったことでギリギリ平均になったと思う。
【1週間でしたこと(実際)】
・GREの出題形式を調べる
・iKnowのGRE Verbalセクションの1ページ目に目を通して諦める(諦めた)
【1週間で対策するなら】
・GREの出題形式を調べる …1時間
・GRE Official Guideの問題を解く&出題単語暗記 …5時間
・iKnowのGRE Verbalセクションの単語暗記(800語ほど) …5時間
・英検1級・GMAT等の英単語帳の暗記(※余裕があれば)
「GRE3セクションを1週間で対策」なら、これが時間的にできる限界かなと思います。そして、多くの方がブログでも書いている「GRE対策の良い単語帳がない」には同意見です。実際に自分の試験時に出た自分の知らない単語を試験後に思い出してリスト化(ぱっと思い出せるものだけでも80語ほどあった。。思い出せなかった単語を含めると、知らない単語が100語近く出題されたと思う)して各種単語帳と照合してみましたが、”GRE単語帳”として出されているものでもカバー率2-3割ほど、1番載っていたiKnowのGRE Verbalセクションの単語リストでも半分ほどしか載っていませんでした。たまたま私の受験回が他の単語帳と相性が悪かったのか、iKnowが優れているのか(としてもカバー率が低いが)未だにベストな対策はわかりませんが、とにかく単語の暗記がものをいうテストなので、時間の許す限り高難易度英単語のインプットをしていくことがカギだと思います。
【関連記事】受験会場(東京会場:お茶の水ソラシティ)のレビュー