アポスティーユ認証された大学の成績証明書と卒業証明書が必要だったので、公証役場のワンストップサービスを利用してアポスティーユ認証を取得してきました。
ググってもあまりピンポイントな情報がなく、誤った情報も多かったので備忘のために纏めておきます。
1.制度をざっくりまとめる
・アポスティーユ認証は、公文書に対してのみ付与される認証なので、大学の卒業証明書・成績証明書に直接認証はできない(※同書類は私文書のため)
・そのため、大学の卒業証明書・成績証明書を認証したい場合には、「この書類に間違いがない旨」の宣誓書に公証人の前で署名⇒公証人がその宣誓書(私文書)を認証した旨の書類(公文書)を作成⇒その公証人が認証した書類(公文書)の公証人のサイン・印鑑が偽物でないことを法務局長・外務省が認証、という連鎖でアポスティーユ認証を取得する
・ざっくりいうと、「書類に間違いがないと宣言したことを認証した公証人の認証は偽物ではない」ことの認証なので、内容自体の認証ではない
・ワンストップサービスは、上記の連鎖をいちいちそれぞれの認証をする場所にもっていかずに、公証役場だけで終わらせられるサービス
2.利用の流れ
1.大学から卒業証明書・成績証明書を発行してもらう
※一部の大学で、コンビニなどで印刷できるPOPITAという偽造防止を施した印刷システムの証明書が発行されているが、これは外務省での認証不可なので、POPITAでないものを発行してもらう。(POPITA自体、日本でしか使われていないものなので海外に出す書類では避けた方がよさそう)
2.宣言書の作成
「この書類が正しいものだと宣言します」という旨の書類1枚を作成。京橋公証役場など、公証役場でサンプルがダウンロードできるのでそれに自分の名前などを記載し印刷してもっていきます。
この時、宣言書へのサインは公証役場で公証人の目の前でしなければいけないので、サインの箇所だけ空欄にしておきます。
※宣言書を英語か日本語にするかは、提出先の判断とのこと。同様に、宣言書にサインだけでなく押印するか否かも提出先の判断とのことで、押印がなくてもサインだけで認証することも可。
3.公証役場の予約をする
公証役場によって予約必須のところと予約優先のところがあるので、各公証役場に確認。Webでの予約は対応していないので、電話かメールで予約をします。
予約なしでも出来るところは多いですが、待ち時間&予約推奨なので予約していた方がベター。当日予約もできました。
※Declarationに不備があると書き直しになるので、事前に公証役場に送付して問題がないか確認してもらうのが良いです
4.公証人に認証してもらう
必要なもの:宣言書(Declaration)、身分証明書、認証を取得したい書類
受付で受付票を書いて、身分証と認証を取得したい書類、宣言書を出し順番を待ちます。呼ばれたら、公証人の前で宣言書にサイン。用途や提出先などを聞かれました。
5.受取り・手数料を支払う
ワンストップサービスの場合、公証役場で公証人の認証・法務局長の認証・外務省認証が取れるので、サイン後は書類が完成するまで待ちます。待つといっても、10分もかかりませんでした。即日(というかその場で)受け取れます。
費用を払って、書類を受け取っておしまい。全部で20分くらいで受け取りまで完了しました。
費用は、11,500円(認証手数料5,500円+外国文書加算6,000円)です。卒業証明書・成績証明書をまとめて認証して貰ったので、今回の手数料は1通分。別々に提出するなどの理由で個別に必要な場合は2通分なので倍額かかりますが、効力は同じなじなので提出先が同じの場合は1通でまとめてOK。
外務省認証・公証人認証・法務局長認証の旨、署名・印鑑が押された表紙をカバーに、宣言書、認証を取得したい書類がホチキスで閉じられた形式のものになります。
各証明書(卒業証明書・成績証明書)に外務省認証等の印鑑が押されるわけではなく、表紙カバーに印鑑、それぞれの書類に割印が押される形になります。
その他のメモ:公印確認
・提出先ハーグ条約加盟国であっても、アポスティーユ認証では不可で外務省の公印確認+提出先国の領事認証が要求される場合あり(提出先の希望による)
・公印確認自体は、ほぼすべての大学法人(私立大を含む)の印鑑に対して可能。
・公印確認は、外務省で印影のチェック(そういうシステムがあるらしい)をして、印影が真正であることを確認した旨の外務省のスタンプが印鑑の上に押される形。内容の真偽ではなく、「印鑑の真偽をチェックしたもの」という位置づけ。
・公印確認を取得する場合、外務省での公印確認後、提出先の国の駐日領事館で領事認証をとらなければならない
・公印確認は、問題がなければ申請日の翌日受取(当日ではない…)